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2015年4月、凰稀かなめ宝塚退団後の始動公演として好評を博したライブ『The Beginning』が、更にパワーアップ。『The Beginning 2』として、9月16日~17日に東京EX THEATER ROPPONGIで、9月29日~30日には大阪森ノ宮ピロティホールで開催されることになった。

 
昨年の『The Beginning』は、宝塚時代を通じても初となる、凰稀かなめのライブステージで、映像を駆使し、多彩な音楽とダンスはもちろん、おかっぱ頭に瓶底メガネ、緑のジャージ姿という意表をついた出で立ちで、「付き人さん」を演じた凰稀の芝居仕立てのシーンも記憶に残った。クールビューティなイメージが定着していた凰稀の、思いがけなく多面的な魅力が表れて、「付き人さん」は後々グッズなども販売される人気キャラクターとなったほどだ。
そんな夢空間を作り出した構成・演出のTETSU(Bugs Under Groove)と、凰稀が再びタッグを組んで臨む『The Beginning 2』 。作品に賭ける思い、稽古場のこと、また互いの印象や魅力などを語ってくれた。
(※この公演の稽古場レポートも近日公開予定)。

 

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凰稀かなめ、TETSU

新たな「凰稀かなめ」の魅力を毎回見せていく 

 

──大好評だったライブの第二弾ということで、お稽古もたけなわだそうですが、内容やコンセプトについて、今の段階で伺える範囲で教えて頂けますか?
TETSU “『The Beginning』シリーズ”と、言っちゃっていいんですよね?
凰稀 もちろんです!
TETSU 前回から携わらせて頂いているのですが、おもちゃ箱をひっくり返したようなと言いますか、(凰稀)かなめさん自身がカメレオンのような色々な面があるので、その魅力を毎回新しい形で提示していくというのがまずコンセプトとしてあります。喜怒哀楽がある、ただ歌って踊るだけではないというのが、この『The Beginning』の醍醐味だと思いますし、今年は去年を遥かに上回ってパワーアップしています。具体的なことは、(首元を示して)ここまで出ているのですけれど、それはちょっとね(笑)。
──観てのお楽しみになりますか?
凰稀 とりあえず言えることは、前回より大変です(笑)。
──出番が多いということでしょうか?
凰稀 多いですよね?
TETSU かなめさんご本人としては、前回よりかなりボリューミーです。
凰稀 歌にしてもダンスにしても量が多いんです。前回は映像などもあって、間に細々と休みを入れてくださっていたのですが、今回はそれがないんです!(笑)
TETSU 優しさがない(笑)! いやいや、愛情があるからこそです!
凰稀 厳しい愛情が(笑)。
TETSU お客様に楽しんで頂けるように、色々なかなめさんを観て頂こうと。基本的にフォーマットとして『The Beginning』は、楽しく皆で盛り上がるということなんですけれど、前回とは全然違う作品にしていて、涙が出ちゃうところもあるし、これが観たかった!というシーンも盛り込まれています。観ないともったいないです。
凰稀 毎公演それは目指していて、前回の『The Beginning』も映像化されていないのですが、それは、その時同じ空間を共有してこそ楽しめるものということで、今回は特に、ただ観て頂くのではなくて、客席の皆さんも一緒にということも考えています。
──客席参加型ですか?
凰稀 そうですね。
TETSU 曲によっては一緒に踊って頂いたりね。と言っても、ここから一緒に踊りますよ、今から振りをレクチャーしますよ、という形で流れが止まってしまうのが僕はイヤなので、客席も盛り上がって気づいたら一緒に踊っていた、という形になるように。それくらい皆さんによく知られた楽曲も使っています。それに、かなめさんを筆頭に皆でパフォーマンスしているところで、一緒に楽しく歌ったり踊ったりのコーナーもできると思います。
凰稀 曲の幅も広いですよね。
TETSU 広いですね。年代もジャンルも。「この曲なんだろう?」ということが続くことはまずなくて、「あっ、知ってる、知ってる」と思って頂けるはずです。それに、たとえ曲はご存知なかったとしても、その世界観はすぐに伝わる楽曲を皆で打ち合わせして選曲したので、走り始めたらもうね。
凰稀 ノンストップですね。「え?私、こんなに出るの?」って言いましたから(笑)。
TETSU それはかなめさんのライブだから!
凰稀 (爆笑)!
TETSU お客様もそれを楽しみにいらしてくださると思うし、『The Beginning』というのはそういうライブでなければいけないと思うので、楽しい、カッコいい、可愛い、かなめさんの色んな要素が、ふんだんにご覧頂けると思います。


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真逆のイメージに振り切った「付き人さん」

 

──凰稀さんの方からリクエストしたアイディアもあるのですか?
凰稀 打ち合わせはたくさんしました。
TETSU 色々なアイディアを持ち寄りました。僕も全体の流れを考えながら、じゃあこれは残そう、これはもっと広げたい、というアイディアがどんどん出てくるので、ディスカッションを重ねました。
──また「付き人さん」に会えるのかな?と、期待しているお客様も多いと思いますが?
凰稀 (笑)会えるかもしれないし?どうでしょう? 
TETSU さて、どうでしょうか(笑)。でも毎回「付き人さん」にはお会いしてますよね?
凰稀 毎回お会いしてます(笑)。ですので、「やります!」とは断言しませんけれど、「かもね?」と(笑)。
──そもそも「付き人さん」はどういう発想で生まれたのですか?
TETSU 最初、かなめさんと言ったらお芝居というイメージがありましたし、「何か芝居仕立てのシーンがあったらいいですね」というお話を、かなめさんの方から頂いて、できあがって来たのがコントだったんです(笑)。
凰稀 私がバラエティ・ショップで鬘とメガネを買って、そこからのはじまりですよね。
──凰稀さんご自身であの鬘とメガネを用意したんですか
凰稀 そうです(笑)。それを色々と、じゃあこうしていこうか?と広げていったんです。
──凰稀さんと言えばクールビューティというイメージでしたから、あまりにも意外なギャップに驚きました。
TETSU それだけお客様を楽しませたいという気持ちが強い方なんです。だからこそイメージを真逆に振ってしまった方が良いんじゃないかな?と。話していても会話のテンポも良いし、楽しいことがお好きな方だから、じゃあ一度こういうことをやってみますか?となったのですが、僕自身プレゼンする時はドキドキしましたよね(笑)。でも「どうせなら面白くやりましょう!ということでノッてくださったので、自由にやらせてもらって。かなめさんのアイディアもどんどんプラスされていきました。
凰稀 まさかこんなに人気のキャラクターになるとは思いませんでした!(笑)

 

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全員のチームワークを感じる稽古場

 

──今回は新しく、「THE CONVOY」のメンバーの方も加わりましたが。
TETSU それがまた、単純にゲストコーナーというような形ではないのも見どころです。かなめさんは宝塚のトップをされてきた方で、1つの作品を皆で創り上げることをずっとなさってきた。一方、コンサートというのはリハーサル期間がわりに短くて、ミュージシャンとダンサーが数名で、バッと集まって作る形が比較的多いと思うんです。でも『The Beginning』は、かなめさんが座長で皆で集まって創り上げる。その醍醐味が去年のリハーサルの時からすでにあったし、各自が自分たちの出番だけリハーサルして、はい本番というものではない。皆でかなめさんの魅力を感じながら、皆でバックアップしていくそのチームワーク感が強いです。単なるお仕事ではない空気をかなめさんが作ってくれていて、だからこそ成立する、『The Beginning』なんです。「THE CONVOY」さんのお2人は、僕にとってもエンターテイメント界のトップを走られてきた大先輩なのですが、かなめwithのチームとして、すごく良い雰囲気を創ってくれています。
凰稀 とても気さくに接してくださって、楽しいです。
TETSU そして、また(白華)れみちゃんも出てくれますし、ジャンルも年代も違うダンサーの方達がいて、コーラスの方もいて、というメンバーですが、全然垣根がないんです。
凰稀 楽しく一緒にやりつつ、厳しく指導もして頂けるという、メリハリのあるお稽古でテンションも上がっています。
TETSU かなめさんご自身が、稽古終わってからも黙々と復習されているのを見て、「THE CONVOY」のお2人が「かなめさん、なにひとりでやってるのよ、一緒にやろうよ」と、ワイワイやっている様子を僕は見ながら、ああいい空気感だなぁと思っています。

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アイディアをぶつけ合って創る幸せな時間

 

──『The Beginning』を共に作っていて感じるお互いの印象や、魅力についてはいかがですか?
凰稀 最初にお会いしたのは宝塚時代ですね。大劇場に観に来てくださって。
TETSU 一番前のど真ん中で観させて頂いて。有り得ないすごい経験でした!
凰稀 私も男役でしたから、「はじめまして」は静かな出会いだったのですが(笑)。『The Beginning』の演出をしていただくということで、だんだんお話をしていく内に、感覚が似ているなと感じるようになって。稽古中でも私が面白いと思ったとき、バッと見るとやっぱり笑っているというような。
──感性が近い?
凰稀 なのかな? あ、すみません、先生に対して!
TETSU とんでもない(笑)。
凰稀 「Bugs Under Groove」さんの公演ビデオも観させて頂いて、当時なかなか外の舞台を観に行く時間が取れなかったので、エンターテイメントの素晴らしさを感じて。初めて観る、しかもビデオ鑑賞なのに、これだけ面白さが伝わってくるのだから素晴らしいなと、どんどん刺激を受けて、私もこれがやりたい、あれがやりたいと。そうすると、とても自由な発想をお持ちなので、じゃあこうしたら?こういうのは?とどんどんアイディアを出してくださるので、なんと頭の回転の速い方かと思いました。
TETSU そこ太文字でお願いします(笑)。僕の方はかなめさんの、やはりセンターを張る人ならではのオーラに感動したのが最初の印象で、この人と一緒にお仕事をするのかというプレッシャーも半端なくありましたが、いざ舞台を降りると気さくな方だし、一方でプロフェッショナルな気持ちもとても強い。メリハリのある方なので、リハーサルをしながら良い時間を過ごせているなと感じます。とにかく色々な面を見せていける女優さんなので、作り手側としてはワクワクしますね。アイディアを出すと更にその上をいくアイディアを出してくださるし、それをぶつけあいながらお稽古をしているのがとても楽しいです。アプローチの仕方が一辺倒ではないのも、先ほども言いましたようにお客様を楽しませたいという気持ちがすごく強い方だからで、妥協もない。作り手としても魅力のある素材で、それを如何に活かすかは、僕ら周りのスタッフの仕事で、だからこそ絶対に前回を上回るショーになると思います。オープニングからドカンと行きますからね。前回はダンサーを引き連れて妖艶な感じのオープニングだったと思いますが。
 
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──あの幕開きもとてもインパクトがありました。
TETSU 今回は更にライブ感を楽しんで頂けるものになると思います。
──凰稀さんは、ライブならではの見せ方などは?
凰稀 あまりライブだから別物という風には考えていなくて、お芝居の時もお客様を巻き込むことはいつも考えていましたし、一緒に楽しむということは宝塚のショーでも常に意識していたことなので。ただ、お客様と近い空間ということは感じていて、ハイタッチを交わすことなどは、宝塚時代もそうそうはなかったので、距離感の近さは感じます。ですから、気持ちの持ちようは前回通りに、でもライブ感はパワーアップしていきたいなと。
──シリーズ化への期待も膨らみますが。
凰稀 そうなったらいいですね!
TETSU そうですね、本当に! 1年に1回のお祭りと言うか、また『The Beginning』の季節が来たというものに育てていく為にも、今回、「かなめさんの今」をご覧に入れたいです。映像のかなめさんや『1789~バスティーユの恋人たち』のようにドラマティックに戦ったりするような世界とは違うところ、もっとカジュアルでお客様と純粋に楽しめる、ディナーショーともまた違う空間として作っていきたいです。僕を含めてチーム皆かなめさんのファンなので、どんどん盛り上げていきたいです。
──では改めて、今回の『The Beginning2』への意気込みを。
TETSU 『The Beginning』をご覧になった方もそうでない方も、また宝塚時代のかなめさんをご存知の方もそうでない方も、全く何も知らなくても純粋にすごく楽しい幸せな時間を過ごして頂けるライブだと思います。前回以上にパワーアップしていますし、かなめさんの魅力満載ですので、是非会場に足を運んで頂いて、一緒に楽しいエンターテイメントな空間を作りましょう。これを観ないと損だぞ!(笑)というものになっていますから、楽しみにしていらしてください。
凰稀 全部TETSUさんがおっしゃってくださった通りなのですが、とにかく私は楽しい空間を皆さんと共有できたらいいなと思いますので、今は苦しんで苦しんでお稽古に励んで、本番では楽しく皆様にお会いしたいと思っています。


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TETSU、凰稀かなめ

おうきかなめ○神奈川県出身。00年に宝塚歌劇団で初舞台。美貌と抜群のプロポーションを備えた男役として頭角を現し、12年『銀河英雄伝説@TAKARAZUKA』ラインハルト・フォン・ローエングラム役で宙組トップスターに就任。数々の作品で活躍した。15年『白夜の誓い~誇り高き王の戦い』『PHOENIX 宝塚!!~蘇る愛』で惜しまれつつ退団後、16年『1789~バスティーユの恋人たち』マリー・アントワネット役で女優デビュー。コンサート、またテレビドラマ『家売るオンナ』への出演など、活躍の幅を広げている。11月『岩谷時子メモリアルコンサー~Forever~』、17年3月主演舞台『花・虞美人』への出演が控えている。
 

てつ○中学から体操を始め、名門中京高校に入学。日本ジャズダンス協会主催、ジャズダンスコンクールにしてグランプリ受賞。1993年よりダンス留学のため渡米し、帰国後は演出・振付・ダンサーとして活躍。近年では浜崎あゆみ、SMAP、関邪に∞、ジャニーズWEST、AKB48、チャングンソク、防弾少年団など数多くのアーティストを手掛ける。スタジアム、アリーナクラスの大規模なライブイベントやコンサートステージ、またテレビや映画、CMの振付と多岐に渡るジャンルでその手腕を発揮している。ダンスグループ「Bugs Under Groove」のリーダーとしても活躍中。
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    neko Chan 發表在 痞客邦 留言(0) 人氣()