貓窩~喵

宝塚歌劇雪組トップスター、水夏希を中心に昨年結成された彩吹真央、音月桂、彩那音、凰稀かなめ、雪組男役スター５人によるユニット、ＡＱＵＡ５による新曲「シラユキ」（１２月１７日発売）披露スペシャルライブが、１０月２４日東京・六本木ヒルズアリーナで行われた。屋根つきではあるが野外ライブということで、「リハーサル中ずっとどしゃぶりで心配した」と終演後語っていた水。開催が危ぶまれたほどの悪天候だったが、開場の６時半には小雨に変わり、抽選で当たった４００人に、ギャラリーを含め約１０００人のファンが会場を埋め尽くした。

　大歓声のなか迎えられた５人は、今年８月に発売された２ｎｄ シングルの「ＡＱＵＡ　ＦＥＥＬ　ＡＱＵＡ　ＳＯＵＬ」でライブをスタートした。続いて、同じＣＤの中から、小田和正の「言葉にできない」、「Ｙｏｕ　ａｒｅ　ｍｙ　Ｐｒｅｃｉｏｕｓ」。合間のトークで水は、「音楽活動を通じて宝塚を知らない方にも宝塚の魅力を知っていただきたい。このようなオープンスペースのライブで、買い物中の通りすがりの方にも聞いていただき、舞台に興味をもっていただくきっかけになれば」とＰＲ。

　トークでは、「普段の自分から男役に変わる瞬間は？」という司会者からの質問に、「メイクでもみあげを描く時」とメンバーが声をそろえ、音月の、「普通の化粧の際もうっかりもみあげをかいてしまうことがある」というエピソードに、会場は大爆笑。「化粧をすると男役の意識になる」という凰稀は、「メイク中は一切しゃべらない」集中派、一方ほかの４人は、化粧するのもわいわい騒ぎながら、などの楽屋話で観客をわかせた。

　続いての歌「ＴＩＭＥ　ＴＯ　ＬＯＶＥ」は、「ＩＡＦＦ世界陸上２００７大阪」の開会式で披露されたデビュー曲。「懐かしいですね」と歌い終えて水が言うと、「この曲を歌うと世界陸上のときの広い競技場を思い出す」と彩吹。

　このライブは、東京六本木ヒルズで２６日まで行われた第２１回東京国際映画祭の関連イベントのひとつでもあるが、ライブの前には、東京公演中の雪組のショー「ソロモンの指輪」の映画版が映画祭で特別上映された。映画版「ソロモンの指輪」は、５台ものカメラでさまざまなアングルから、デジタルシネマの形式で撮影されており、舞台とは一味違ったアーティスティックな仕上がり。ライブでダイジェスト版が映し出され、ＡＱＵＡ５のメンバーひとりひとりのシーンが大型スクリーンに映し出されると、初めて見るという映像にメンバー全員が歓声をあげた。「自分が出ている場面を、客観的に見てしまう」という音月に対し、「袖から見ることはできても、自分が出ている舞台を正面から観る機会はないので、勉強になる」と凰稀。

　最後に１２月１７日発売の３ｒｄシングル「シラユキ」を、「みんなで考えた、雪が降ってくるイメージ」というライブ・スペシャルバージョンの振り付けで熱唱したあと、ひとりひとり挨拶を述べ、舞台を去った。

凰稀「短い時間でしたが、私たちも楽しませていただきました。これを機に宝塚を知っていただければと思っております」

彩那「まさかこんな素敵な場所でライブができると思わなかったので幸せです」

音月「ＡＱＵＡ５もどんどん進化していくと思いますので、その成長をこれからも見ていただけたらと思っています」

彩吹「大都会東京の六本木でライブをさせていただけるというのは、（私のような）関西人にとってとてもうれしいこと。宝塚を知らない方にもぜひ舞台を観にきていただきたい」

水「東京でのライブは夢のようです。曲も少しずつ増えてきたので、これからも応援していただき、どんどん曲を増やしていきたい。今日はオープンスペースだから気持ちがよかったです」